CHEMOTHERAPY
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Sulbactam/Cefoperazoneに関する基礎的ならびに臨床的研究
岡本 緩子牧野 純子間瀬 勘史米津 精文前原 敬悟安永 幸二郎上田 良弘大久保 滉
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1984 年 32 巻 Supplement4 号 p. 305-315

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抄録

米国Pfizer社のGroton研究所で欄発されたβ-lactamase阻害剤SulbactamとCefoperazoneとを1: 1の割合で配合した合剤について, その抗菌力を調べ, 同時にそれぞれ単独のMICをも測定検討した。その結果ブドウ球菌, E. coli, Klebsiella如に対しては相乗効果と思われる程度に抗菌力が良くなった。一方, Proteus mirabilis, Proteus morganii, ならびにSerratiaに対しては, CPZ単独よりもMICは良くなり, 抗菌力の増強を認めた。ラットの臓器内濃度より, 両剤が薬動力学的にほぼ同様パターンをとることを知った。臨床症例8例 (上気道感染症5例, 敗血症1例, 潰瘍性口内炎1例および骨盤腹膜炎1例) に本剤を1日2~4g, 4-5日間投与し, 4例に有効で, 1例はマイコプラズマ肺炎のため判定不能菌交代のあった潰瘍牲口内炎, 原因不明の腹膜炎および肺癌二次感染のそれぞれ1例 (計3例) には無効であった。1例に薬熱らしきものが認められたが, 他に本剤によると思われる副作用はなかった。

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