CHEMOTHERAPY
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Sulbactum/Cefoperazoneに関する基礎的・臨床的研究
二木 芳人渡辺 正俊中浜 力川西 正泰沖本 二郎川根 博司松島 敏春副島 林造
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1984 年 32 巻 Supplement4 号 p. 316-322

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抄録

β-lactamase inhibitorであるSulbactam (SBT) とCefoperazone (CPZ) との1: 1配合剤SBT/CPZについて基礎的・臨床的検討を行った。
臨床分離のE. coliおよびIndole positive proteusのCPZ高度耐性株に対し本剤は優れた抗菌力を示した。しかし, Saureusでは併用効果は全くみられず, Klebsiella, Serratia marcescens, Proteus mirabiilis, Pseudomonas spp.ではわずかなMICの改善をみたにとどまった。また, Acinetobacter spp.に対してはSBT単独が最も優れた抗菌活性を示した。
本剤1.0gを1時間かけて点滴静注後の血中濃度のピークは, 各々112.4μg/ml (CPZ), 26.4μg/ml (SBT) であり, 各時間毎の両者の血中濃度比は1時間値1: 4.3, 2時間値1: 3.6, 4時間値では1: 9.3であった。同時に測定した6時間までの尿中排泄率はCPZで10.3, SBTで40.7%であった。
呼吸器感染症14例, 尿路感染症2例の計16例に本剤1回1.0g~2.0g1日2回の点滴静注で2~15日間使用した結果有効7, やや有効2, 無効6, 効果判定不能1の成績であった。臨床的副作用を呈したものはみられなかったが2例で投与後軽度のtransaminaseおよびAlPの上昇が認められた。

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© 社団法人日本化学療法学会
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