CHEMOTHERAPY
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Sulbactam/Cefoperazoneの抗菌力について
小林 裕春田 恒和黒木 茂一大倉 完悦
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1984 年 32 巻 Supplement4 号 p. 376-378

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抄録

各種臨床分離205株について, β-lactamase inhibitor, sulbactam (SBT) とcefoperazone (CPZ) の一対一の合剤の抗菌力をCPZと比較した。205株のうち, CPZのMICが25μg/ml以上であったのは, 33株であった。
耐性株のなかったS. aureus, Salmonella, P. mirabilisでは, 両剤の抗菌力には差がなく, P. aeruginosa 14株のうちCPZに>100μg/mlの1株が合剤で50μg/mlであったが, 12.5μg/ml以下の株数は両剤等しかった。E. coli, Klebsiella, Enterobacter, Citrobacterでは, 合剤でかなりの菌株に1~2段階のMIC低下がみられ, 特にCPZに>100μg/mlのE. coli 1株が合剤では6.25μg/mlで抑制されたのが注目された。Indole陽性Proteus, S. marcescensでは, 相乗作用はみられなかった。
今回の検討では, 著明な相乗作用はほとんど認められなかったが, CPZ高度耐性株が少なかったので, 更に耐性株数を増して検討する必要がある。

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