CHEMOTHERAPY
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Sulbactam/Cefoperazone合剤の臨床効果について
橋本 伊久雄沢田 康夫中村 孝三上 二郎斉藤 美知子戸次 英一吉本 正典西代 博之中西 昌美葛西 洋一
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1984 年 32 巻 Supplement4 号 p. 392-403

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抄録

β-lactamaseに対する不活化剤Sulbactam (SBT) と第三世代のcephem系抗生剤Cefoperazone (CPZ) の1: 1の合剤Sulbactam/Cefoperazone (SBT/CPZ) を用い以下の成績を得た。
胆道系感染症8例, 急性腹膜炎10例, 急性虫垂炎2例, 皮膚およひ軟部組織感感染症11例, 計31例の臨床効果は著効8例, 有効20例, やや有効3例で有効率は90.3%であった。
病巣より分離された分離菌は15例より20株を得たが, 5例は複数菌感染であった。
全例において副作用は認められず, 本剤によると思われる臨床検査値の異常も認めなかった。また本剤投与前に肝機能の低下を示した症例でも, 悪化を示すことなく, 安全に使用が可能であった。
以上のことよりSBT/CPZは, 外科および内科領域の感染症, 特に胆嚢炎, 腹膜炎等に対して安全性, 有効性において有用であると考えられた。

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© 社団法人日本化学療法学会
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