CHEMOTHERAPY
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外科領域におけるSulbactam/Cefoperazoneの基礎的・臨床的検討
由良 二郎品川 長夫石川 周高岡 哲郎早川 義秋真下 哲司中村 明茂三宅 孝林 宇多子
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1984 年 32 巻 Supplement4 号 p. 434-441

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抄録

新しい注射用炉β-lactamase阻害剤であるSulbactamと, セフェム系抗生剤であるCefoperazoneとの合剤について, 基礎的臨床的検討を外科領域において行い, 次の結果を得た。
(1) 抗菌力: 外科病巣分離の E. coli, KlebsiellaにおいてCefoperazone耐性菌が各々2株3株あり, Sulbactamの合剤はKlebsiellaの1株を除いて良い抗菌力を示した。P.aeruginosaでは, Cefoperazone単独と, 合剤での併用効果はあまり認められなかった。
(2) 吸収排泄: Sulbactamの胆汁中移行はCefoperazoneより低く, 6時間までの胆汁中回収率は0.10%から0.15%であった。
(3) 臨床使用成績: 外科的感染症17例に本合剤を使用し, 著効1例, 有効13例, やや有効2例, 不明1例で有効率87.5%と良好であった。副作用に関して, 本剤によると思われる自他覚的なものは全例に認めなかった。

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© 社団法人日本化学療法学会
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