1984 年 32 巻 Supplement4 号 p. 66-77
β-lactamase阻害剤Sulbactam (SBT) をCefoperazone (CPZ) と併用した場合の嫌気性菌に対する抗菌力をin vitroおよびin vivoで検討した。
SBTはCPZ, Cefazolin (CEZ) およびAmoxicillin (AMPC) と併用することによって, Bactmides fragiliを主とする嫌気性グラム陰性桿菌に優れた抗菌作用を示した。SBT/CPZ (1:1) の合剤はB. ffrailis, Bacteroides thetaiotaomicronのようなグラム陰性桿菌に対しCefmetazole (CMZ) と同等か, より優れた抗菌力を示し, 殺菌的であった。
マウスを使用した感染動物実験においてもSBT/CPZ合剤は優れたin vivoの抗菌力を示した。しかも, 抗生物質投与後に生じる下痢の原因菌の1つであるClostridium difficileの出現率も単剤投与時より低くなっていた。