1984 年 32 巻 Supplement4 号 p. 78-96
Sulbactam (SBT) をCefoperazone (CPZ) と併用すると, CPZ耐性菌に対する抗菌作用において著明な協力作用か認めら礼とくにE. coli, K. pneumoniae, Proteus spp., B. fragilisにおいて顕著であった。
CPZ耐性菌に対する殺菌作用もCPZにSBTを併用することにより増強された。
SBTとCPZの至適配合比をin vitroおよびin vivoで各種のCPZ耐性菌を用いて検討した結果, in vitro抗菌力測定ではSBT: CPZの配合比率がほぼ1: 4から4:1の範囲で最も低いMIC値が得ら札マウス感染治療実験ではSBT: CPZの比率が1: 8から2:1の範囲で最も併用効果が顕著であった。
種々のCPZ耐性菌を用いたマウス感染治療実験においてCPZと比較してSBT併用による治療効果は優れていた。また, 感染マウスへSBTを先行投与し, CPZの投与を60分まで遅らせてもマウス生存率はSBTおよびCPZの同時投与の場合と等しく, SBTのβ-lactamase不活化作用は60分間以上持続し, SBTが先行しても, CPZの抗菌力に対する併用効果は維持されることが示唆された。