1985 年 33 巻 9 号 p. 753-758
各種β-lactamaseに対するCefbuperazone (CBPZ) のin vitro, in vivo安定性をCefmetazole (CMZ), Cefotaxime (CTX) およびCefazolin (CEZ) と比較した。
K.pneumoniae Y-4由来のpenicillinase, P.vulgaris T-178由来のcefuroximaseに対してCBPZはCMZと同様にCTX, CEZに比べ安定であった。またE.cloacae H-27, C.freundii GN 346由来のcephabsporinaseに対してはCBPZはCMZ, CTX, CEZに比べ安定であった。
Pouch内感染ラットに各薬剤100mg/kgをi.v.投与したときの血中および浸出液中濃度を測定した結果, P.vulgaris T-178感染群のCTXを除いた各薬剤の血中濃度は感染菌による影響はほとんど認められなかった。一方, CBPZの浸出液中濃度は非感染群と感染群間に差は認められなかったが, E.cloacae H-27, P.vulgaris T-178感染群のCTXは非感染群に比べ低く推移した。またCMZではE.cloacae H-27感染群で, CEZではすべての感染群において薬剤の活性が認められなかった。この濃度の低下は感染菌由来のβ-lactamaseによって加水分解されたためと考えられ, in vitroのβ-lactamaseに対する安定性の成績がin vivoにも反映するものと思われる。