CHEMOTHERAPY
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ST合剤に対する臨床分離株の感受性推移と配合意義の検討
名出 頼男玉井 秀亀柳岡 正範石黒 幸一安藤 浩二安藤 慎鈴木 恵三小沢 英夫原 進内藤 守啓
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1985 年 33 巻 9 号 p. 759-777

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抄録

1977年から1981年までの5年間にわたって。名古屋保健衛生大学病院中検細菌検査室において各種臨床材料より分離された905株のグラム陰性桿菌群について, ST合剤に対する薬剤感受性の推移ならびにST合剤におけるSMXの配合意義を検討した。
1) ST合剤に対する菌種別感受性分布は, 一部例外を除きMIC50で3.13μg/ml以下を, MIC80で125μg/ml以下を示した。
2) 1980年のCitrobacter spp.を除き, 極端な感受性分布の年次変動はみられなかった。
3) Enterobacteriaceaeでは, MIC濃度とdisc感受性検査結果には, かなりの相関傾向はみられるものの, disc感受性検査の結果の方が耐性菌率の高い傾向を示した。一方, P.aeruginosaでは腸内細菌群とは異なって, 両者の相関はみられなかった。
4) TMPの協力作用は, SMX50μg/ml以下のMIC値を示す481株中373株77.5%にみられた。一方, SMXの協力作用は, TMP50μg/ml以下のMICを示す743株中384株51.4%に認められた。TMP高度耐性菌において協力作用は, ほとんど認められなかった。

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