CHEMOTHERAPY
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ラット肺炎球菌性髄膜炎モデルにおけるaspoxicillinの治療効果および髄液中移行
春日 修谷 佳都芝田 和夫石井 信男奥野 哲佐久間 由光前澤 功山口 東太郎
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1988 年 36 巻 2 号 p. 103-108

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抄録

ラット肺炎球菌性髄膜炎モデルにおけるaspoxiciUin (ASPC) の治療効果, 髄液中殺菌作用および髄液中移行をampicillin (ABPC), meziocilIin (MZPC) およびpiperacillin (PIPC) を比較薬剤として検討した。
細菌接種24時間後に各ペニシリン剤を尾静脈内へ単回投与した結果, PIPCを除き投与量に依存した治療効果が認められ, その中で, ASPCは最も良好な治療効果を示した。また, 各ペニシリン剤の髄液中殺菌作用は投与量に依存し20mg/kg投与群において投与24時間後にABPC, MZPCおよびPIPCは髄液中での細菌の再増殖が認められたのに対して, ASPCでは再増殖が認められなかった。各ペニシリン剤の感染ラット髄液中濃度は非感染ラットに比べ明らかに高い値を示し, これらのペニシリン剤は感染によって感染髄液中への移行性が増大した。その中で, ASPCはいずれのペニシリン剤より良好な移行性を示した。

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