CHEMOTHERAPY
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新ピリドンカルボン酸系抗菌剤T-3262の実験的感染症に対する治療効果
保田 隆渡辺 泰雄四辻 彰池田 靖満山 順一西田 亨子堀 りつ子春日 千恵子
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1988 年 36 巻 Supplement9-Base 号 p. 110-115

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抄録

マウスを用いた各種感染モデルを作製し, これらに対するT-3262の治療効果をnorfloxacin (NFLX) およびofloxacin (OFLX) と比較検討した結果, 以下の成績が得られた。
1) Cyclophosphamideまたはazathioprine投与で, あらかじめ免疫を低下させたマウスを用いた全身感染に対するT-3262の治療効果は, Escherichla coli TK-16感染に対しては対照薬剤より優れ, Klebsiella pneumoniae Y-41感染に対してはOFLXとほぼ同等で, NFLXよりは優れていた。
2) マウス尿路感染に対するT-3262の治療効果は, E. coli. 感染, Serratla marcescens感染およびProteus mirabilis感染に対してOFLXとほぼ同等で, NFLXよりは優れていた。
3) マウス肺感染に対するT-3262の治療効果はK. pneumoniae Y-41感染に対しては対照薬剤より優れ,.Pseudomonas aeruginosa S-406感染に対してはOFLXとほぼ同等, NFLXより優れていた。
4)Staphylococcus aureus F-230で惹起したマウス皮下膿瘍に対するT3262の治療効果は対照薬剤より優れていた。

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