CHEMOTHERAPY
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T-3262のヒト糞便内細菌叢におよぼす影響
渡辺 邦友加藤 直樹武藤 吉徳沢 赫代沢村 治樹上野 一恵
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1988 年 36 巻 Supplement9-Base 号 p. 126-136

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抄録

新ピリドンカルボン酸系の抗菌剤であるT-3262の1日450mgの7日間投与がヒト腸内細菌叢におよぼす影響を検討した。
本剤投与は, 検査期間中常に嫌気性菌優位の細菌叢を呈し, 総菌数に大きな影響を及ぼすことはなかった。しかし細菌叢の変動を見ると, 好気性菌の細菌叢の変化が嫌気性菌のそれらの変化より顕著であった。嫌気性菌では, T-3262投与による。Bacteroides fragilis groupの変動は殆どなく, Bifidobacterium spp., Lactobacillus spp.の菌数のわずかな減少が観察されたのみであった。好気性菌ではEnterobacteriaceaeの抑制が強く, Micrococcaceaeが優勢こ存在する傾向を示し, 好気性菌の細菌叢の回復も遅れ, T-3262の好気性菌叢への強い影響が示唆された。尚, 本薬剤投与中および投与後の糞便中にClostridium diffioile (C. diffioile)D-1毒素は検出されず, またC. difficileも分離できなかった。

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© 社団法人日本化学療法学会
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