1988 年 36 巻 Supplement9-Base 号 p. 320-325
ピリドンカルボン酸系の合成抗菌薬T-3262の抗原性試験を検討し以下の結論を得た。
1. モルモット, ウサギをT-3262とFREuND's completeadjuvantとのエマルジョンで感作しても, モルモットの全身性アナフィラキシー反応, モルモットの4時間PCA反応, 間接血球凝集反応ではほとんど抗体産生は認められなかった。
2. マウスをT-3262と水酸化アルミニウムゲルとの混合液で感作してもIgE抗体産生は認められなかった。T-3262・OVA結合物と水酸化アルミニウムゲルとの混合液で感作すると, T-3262に対するIgE抗体産生が認められた。
3. T-3262のラット及びビーグル犬での28日間連続経口投与亜急性毒性試験での投与終了時及び休薬1ヵ月後の血中抗体は認められなかった。
4. T-3262のクームス反応陽性化作用は認められなかった。