CHEMOTHERAPY
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下部消化管手術後感染予防
Cefotetanとlatamoxefの比較
品川 長夫久田 正純福井 拓治水野 裕支石川 雅一細野 進真下 啓二水野 章高岡 哲郎石川 周水野 勇由良 二郎
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キーワード: 術後感染予防
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1989 年 37 巻 10 号 p. 1290-1295

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抄録

1986年4月より1987年12月までに定期手術を施行した下部消化管手術例を対象とし, 術後感染予防としてのcefotetan (CTT) とlatamoxef (LMOX) の安全性と有効性について検討した。薬剤の第1回の投与は, 無作為に割り付けられた薬剤の29を手術開始と同時に点滴静注した。第2回以後は19を8時間毎に点滴静注し, 合計4日間の投与とした。解析対象はCTT投与群の40例 (3例の脱落例を除く), LMOX投与群の45例であり, 両群で85例であった。平均年齢, 男女比, 手術対象疾患, 対象手術, 術前処置および術前の臨床生化学検査などの背景因子では両群に有意差はなかった。術後感染症の発症率は, 両群いずれも8例ずつの発症であり有意の差はなかった。薬剤の副作用および臨床検査値の変動についても両群に差はみられなかった。下部消化管手術に対してCTTはLMOXと同様に安全であり効果があると考えられた。

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© 社団法人日本化学療法学会
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