CHEMOTHERAPY
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産婦人科領域における7432-Sの基礎的, 臨床的検討
山元 貴雄保田 仁介金尾 昌明岡田 弘二
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1989 年 37 巻 Supplement1 号 p. 600-606

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抄録

新しく開発された経口セフェム系抗生剤である7432-Sに関する基礎的。臨床的検討を行ない, 以下の結果を得た。
基礎的検討として, 7432-S 200mg経口単回投与時における血清中濃度および乳汁中濃度を測定した。
末梢静脈血清中濃度は, 投与後1, 2, 4, 6時間で, それぞれ0.10±0.09μg/ml (Mean±SD), 1.27±1.16μg/ml, 4, 73±0, 35μg/ml, 2.73±0.64μg/mlを示した。
乳汁中濃度は, 投与後1, 2, 4, 6時間のいずれの時間においても全例測定限界値以下であった。
臨床例においての検討では, 子宮内感染症6例, 子宮付属器炎3例, 骨盤内感染症1例, 外性器感染症5例, 計15例の産婦人科感染症および尿路感染症3例, 総計18例に本剤投与を行なった結果, 有効13例, 無効5例で, 有効率は72.2%であった。
細菌学的効果は, 分離された22株中, 消失16株, 存続6株で, 菌消失率は72.7%を示した。
本剤投与を行なった全例に自他覚的な副作用ならびに臨床検査値異常の発現は認められなかった。

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© 社団法人日本化学療法学会
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