日本化学療法学会雑誌
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Grepafloxacinの体内動態 (III)
サルおよびイヌにおける [14C] Grepafloxacinの吸収, 排泄
秋山 仁小富 正昭F. P. StewartR. Hopkins堀 勝行市毛 一美
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キーワード: 吸収, 排泄, サル, イヌ
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1995 年 43 巻 Supplement1 号 p. 125-130

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抄録
[14C] Grepafloxacinをサルおよびイヌに20mg/kgの用量で単回経口投与時の放射能の吸収および排泄について検討し, 以下の成績を得た。
1) サルにおける平均血漿中放射能濃度は, 投与後2時間に最高濃度3.29μgeq./gに達した後, 5.9時間の生物学的半減期で減少した。投与後48時間までのAUCは39.6μgeq.h/gであった。血液中放射能濃度は血漿中放射能濃度の0.8~1.3倍で推移した。
2) イヌにおける平均血漿中放射能濃度は, 投与後2時間に最高濃度4.80μgeq./mlに達した後, 3.8時間の生物学的半減期で減少した。投与後24時間までのAUCは38.3μgeq.h/mlであった。血液中放射能濃度は血漿中放射能濃度の0.9~1.2倍で推移した。
3) サルおよびイヌ血漿蛋白へのin vitroにおける結合率は41~48%程度であり, 濃度依存性は認められなかった。またサルおよびイヌにおけるin vivoでの結合率は45.7~47.5%で, in vitroでの結合率とよく一致した。
4) サルにおいて, 投与後120時間までの放射能の尿および糞中排泄率は, それぞれ投与量の13.1%および54.1%であった。
5) イヌにおいて, 投与後168時間までの放射能の尿および糞中排泄率は, それぞれ投与量の16.0%および80.3%であった。
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