日本化学療法学会雑誌
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Pazufloxacinの抗菌力および臨床的検討
齋藤 玲富澤 磨須美中山 一朗佐藤 清
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1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 190-194

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抄録

新しいピリドンカルボン酸系抗菌薬であるpazufloxacin (PZFX) の抗菌力および臨床的効果について検討した。
抗菌力については, 臨床分離株7菌種239株について106cells/mlで本剤および比較薬のMICを測定した。本剤のMIC90はmethicillin sensitive Staphylococcus aureus (MSSA) 0.2μg/ml, methicillinresistant S.aunus (MRSA) 12, 5μg/ml, Escherichia coli0.1μg/ml, Serratia marcescens 3.13μg/ml, Klebsiella pneumontae0.1ptg/ml, Proteus mirabilis0.1μg/ml, Morganella mornii 0.1μg/ml, Pseudomonas aeraginosa0.78μg/mlであり, norfloxacin (NFLX), ofloxacin (OFLX), tosufioxacin (TFLX), lomefloxacin (LFLX) との比較においてはMSSA, E.coli, K.pneumoniaeで本剤が最も優れたMIC値を示した。またMRSA, S.marcescensでの本剤のMICはTFLXより若干劣るものの, それ以外の比較薬とは同等もしくは優れた成績であった。P.mirabilis, M.morganii, P.aeraginosaに対してはTFLXと同等であり, それ以外の比較薬より優れた成績であった。
臨床成績については14例の呼吸器感染症患者に対して1H200mg~300mgを7~21日間投与し臨床効果の検討を行った。有効12例, やや有効1例, 無効1例であり, 有効率は85.7%であった。副作用および臨床検査値の異常変動は, 全例において認められなかった。

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