抄録
無尿で, 同意の得られたCAPD (持続式携帯型腹膜透析) 施行中の慢性糸球体腎炎患者3名にpazufloxacin 200mg 1回経口投与時の血清中および透析液中の濃度について経時的に検討し, 薬動力学的パラメータを求めた。なお, CAPDの透析液交換は6時間毎に行った。
CAPD患者におけるCmaxは健常人との間に大差はなかったが, Tmaxは遅延し, 24時間後でも0.93~2.19μg/mlの濃度を維持し, それに伴いAUCも増大した。一方, 透析液中濃度は1.84~2.75μg/mlに達したが, 回収率は12時間までに3.34~5.67%に過ぎなかった。
この試験前後における臨床検査値は有意な変化を認めず, 何等の自他覚的症状も認めなかった。