抄録
産婦人科領域感染症に対するニューキノロン薬pazunoxacin (PZFX) の臨床的検討を行い, 以下の成績を得た。
1) 産婦人科領域感染症患者19名に本剤を1回100~200mg, 1日2~3回2~14日間投与した。感染症状不明確 (5例), 治療後来院しなかった1例および副作用のため投薬中止例 (1例) を除く12例を解析対象例とした。
2) 臨床効果は, 子宮内膜炎5例, 卵管炎4例, バルトリン腺膿瘍2例, 会陰部膿瘍1例に対し全例有効であった。
3) 細菌学的効果は6例より8菌種8株が検出され, すべてが消失した。
4) 副作用は1例に軽度の発疹が認められた。臨床検査値の異常変動は認められなかった。
以上のことより, 産婦人科領域における各種感染症に対する本剤の有用性が示唆された。