日本化学療法学会雑誌
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Pazufloxacinの婦人科領域感染症における臨床的検討
佐能 孝工藤 尚文光井 行輝中桐 善康坂口 幸吉
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1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 680-682

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抄録

新しく開発された経口ニューキノロン系抗菌薬pazufloxacin (PZFX) の婦人科領域感染症に対する臨床的検討を行った.
対象とした婦人科領域感染症患者12例の内訳は, 子宮内膜炎3例, 卵管炎4例, バルトリン腺膿瘍1例, バルトリン腺炎1例, 乳腺炎1例, 腟断端膿瘍2例であった. 投与方法は本薬1回100~200mgを1日2~3回経口投与した. 投与期間は5~7日間であった.
臨床効果は, 効果判定不能の2例を除く10例がすべて有効であった. 細菌学的には, 1例よりEnterobacter aerogenes1株が分離され, 投与により消失したが, Corynebacterium sp. が交代菌として出現した. また投与症例中本薬によると思われる副作用は, 1例で胃部不快感と下痢が認められた. 臨床検査値の異常変動は認められなかった.

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