抄録
新規経口ペネム系抗生物質であるritipenem acoxil (RIPM-AC) を呼吸器感染症患者20例に投与し, その有用性を検討した。投与量は1回200mgを1日3回経口投与した。対象疾患は急性扁桃炎1例, 急性気管支炎3例, 肺炎7例, 慢性気管支炎3例, その他の慢性肺疾患の二次感染6例であった。臨床効果は, 著効4例, 有効12例, やや有効4例で, 有効率は80.0%であった。細菌学的効果は, 消失9例, 菌交代5例, 不変1例であり, 菌消失率は93.3%であった。副作用は全例に認められず, また, 臨床検査値の異常変動は, 白面球の低下, 好酸球の上昇が1例に, GOTの上昇が1例に認められた。