日本化学療法学会雑誌
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産婦人科領域感染症に対するcefluprenamの臨床的検討
千村 哲朗平山 寿雄森崎 伸之沼崎 政良
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キーワード: 産婦人科, 臨床効果
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1995 年 43 巻 Supplement4 号 p. 396-399

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抄録

新しく開発された注射用セファロスポリン系抗生物質cefluprenam (CFLP) の臨床効果と安全性について, 臨床的検討を行い, 以下の成績を得た。
1) 産婦人科領域感染症12例を対象 (子宮内感染3例, 付属器炎2例, 骨盤内感染5例, 外性器感染2例) としCFLP 2g/日の3~10日間の点滴静注を行った。総投与量は6~20gであった。
2) 臨床効果の判定では, 対象となった10例 (骨盤内感染の2例は除外) で, 有効8/10, 無効2/10であった。疾患別有効率の検討では, 骨盤内感染および卵巣膿瘍各1例で無効以外8例は有効であった。症例別細菌学的効果では, 菌消失率7/7で, 検出菌10株に対する細菌学的効果は菌消失8株, 菌交代が1株であった。
3) 本剤投与による自他覚的副作用および臨床検査の異常変動は認められなかった。
以上の結果からCFLPの産婦人科領域感染症への有用性が示唆された。

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