日本化学療法学会雑誌
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Balofloxacinの産婦人科領域感染症に対する臨床効果の検討
千村 哲朗平山 寿雄小田 隆晴森崎 伸之村山 一彦
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キーワード: 産婦人科, 臨床効果
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1995 年 43 巻 Supplement5 号 p. 623-626

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抄録

産婦人科領域の各種感染症を対象にbalofloxacin (BLFX) の臨床的検討を行い以下の成績を得た。疾患のうちわけは子宮内感染症 (N=7), 子宮付属器感染症 (N=2), 外性器感染症 (N=3), 乳腺炎 (N=1) の計13例であった。投与方法は, 1回100mgまたは200mgを1日2回食後に経口投与 (4~7日間) した。
臨床効果は13例全てで有効と評価された。起炎菌は8例より14株が分離され, 3菌種混合感染の1例で1株が残存するのみであった。菌消失率は13/14 (92.9%) であった。
本剤投与による自他覚的副作用は認められず, また臨床検査値の異常変動も認められなかった。
以上の結果より, BLFXは産婦人科領域感染症に有効で, 安全性が高い新規経口用キノロン薬であることが示唆された。

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