日本化学療法学会雑誌
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新しい経口キノロン系抗菌薬balofloxacinの産婦人科領域における有用性の検討
保田 仁介山元 貴雄岡田 弘二
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1995 年 43 巻 Supplement5 号 p. 630-634

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抄録

新しく開発された経口キノロン系抗菌薬であるbalofloxacin (BLFX) について産婦人科領域における臨床的検討を行い以下の結果を得た。
同意の得られた子宮内膜炎3例, 子宮留膿腫1例, 子宮付属器炎5例, バルトリン腺膿瘍3例の計12例の産婦人科性器感染症に対して, 本剤1回200mg, 1日1回の投与を7日間行ったところ, 臨床効果は付属器炎の1例を除いた11例で有効となり, その有効率は91.7%であった。
細菌学的効果の検討では, 本剤投与前にグラム陽性菌5株, グラム陰性菌13株, 嫌気性菌3株の計21株が検出されたが, 全株が消失し除菌率は100%であった。
また, 本剤投与による自他覚的副作用および臨床検査値の異常は1例もみられなかった。
以上のことからBLFXは産婦人科性器感染症に対して有用となり得ると考えられた。

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