日本化学療法学会雑誌
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Pazufloxacin注射薬の高齢者における体内動態
青木 信樹薄田 芳丸石塚 康夫若林 信人林 静一本間 康夫北村 亘子
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1999 年 47 巻 Supplement1 号 p. 204-208

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抄録

腎機能障害者を含む高齢の患者7名にpazufloxacin注射薬300mgを30分かけて点滴静注した時の血中濃度と尿中回収率を測定した。腎機能障害の程度で正常~軽度障害群 (I群) 2例, 中等度障害群 (II群) 2例, 高度障害群 (III群) 3例に分類し検討した。最高血中濃度 (Cmax) はいずれも点滴終了直後に得られ, 血中濃度の低下は腎機能障害が高度になるに伴い遅延し, 高度障害例において極めて緩徐となった。
血中濃度半減期 (T1/2) はI群2.3~2.4時間, II群4.6~4.7時間, III群12.1~18.3時間と腎機能障害が高度になるに従い延長し, 血中濃度曲線下面積 (AUC0・∞) もI群12.3~17.8μg・h/ml, II群38.5~53.7μg・h/ml, III群94.2~148.2μg・h/mlと増大した。24時間までの尿中回収率はI群80.7~92.8%, II群60.9~63.6%, III群12.2~28.6%であり, 特に高度な障害例で明らかな低下を認めた。

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