日本化学療法学会雑誌
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非小細胞肺癌患者におけるclarithromycinのTh 1, Th 2サイトカインに与える影響
眞島 利匡三笠 桂一坂本 正洋濱田 薫古西 満前田 光一善本 英一郎村川 幸市高橋 賢喜多 英二成田 亘啓
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キーワード: 非小細胞肺癌
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2000 年 48 巻 10 号 p. 780-785

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抄録

14員環マクロライド系抗菌薬clarithromycin (CAM) はbiological response modifer (BRM) 作用を有し, 非小細胞肺癌患者への投与により生存期間の延長・quality oflife (QOL) の改善が得られた。今回. 臨床的検討として抗痛化学療法・放射線療法を施行しなかったCAM投与非小細胞肺癌患者を対象に末梢血単核球中のcytokinemRNAの変動を検討した。その結果, CAM投与後に1L-12, IFN-γは増強し, IL-10は抑制された。また基礎的検討としてマウス肺癌モデルにCAMを経口投与し脾細胞のcytokine mRNAの変動を検討したところCAM投与後に1L-12, IFN-γmRNAは増強し, IL-6, 1L-10mRNAは抑制された。以上からCAMの投与は非小細胞肺癌の担痛状態でのcytokineをTh 1優位に導くことが示唆された。

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