日本化学療法学会雑誌
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小児の下気道感染症に対するazithromycinの臨床的効果
坂田 宏
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キーワード: 小児
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2001 年 49 巻 6 号 p. 363-368

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抄録

2000年9月から2001年3月までにazithromycin (AZM) を投与した生後6か月から9歳までの小児で, CRPが0.6mg/dL以上で, 上咽頭スワブからStreptococcus pneumoniaeないしHaemphilus influenzaeが検出された30名の細菌性下気道感染症患者とMycoplasma抗体価が急性期と回復期で有意な上昇を認めた12名のMycoplasma感染症を対象として臨床効果を検討した。原則的にAZMは10mg/kg/回1日1回食後投与した。臨床効果は42名中32名に有効であり, 有効率は762%であった。細菌性下気道感染症では30名中20名 (66.7%), Mycoplasma感染症では12名中12名 (100%) であった。菌別の有効性はH. influenzaeS. pneumoniae両者が検出した児14名中11名 (78.6%), H. influenzae単独検出8名中5名 (62.5%), PRSP単独検出8名中4名 (50.0%) であった。H. influenzaeでは22名中15名 (68.2%), S. pneumoniaeでは22名中21名 (95.5%) に投与終了後でも上咽頭に菌が残存していた。副作用は全例で認められなかった。

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