日本化学療法学会雑誌
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Teicoplaninの腎機能障害患者における市販後臨床試験成績
有効性および安全性に関する検討
長谷川 廣文青木 信樹
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2005 年 53 巻 11 号 p. 686-695

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抄録

腎機能障害を有するMRSA感染症患者でのteicoplanin (TEIC) の有効性と安全性の検討ならびに現在推奨されている「腎機能障害の程度別の投与方法」の妥当性を検討した。
23例で検討し, 判定不能の3例を除いた安全率は80.0%(16/20例) であった。有効率は, さらに判定不能の2例を除き72.2%(13/18例) であり, 投与量別には400mg群が90.9%(10/11例), 200mg群が3/7例であった。また, 有効性の目安となる血中濃度トラフ値は, 透析患者またはCcr≦10の患者群で, 9日目では他の群に比べて大きく低下していた。
Ccr>10の患者群でのTEICの投与間隔は妥当であり, また1回投与量は400mgが望ましいと思われた。透析患者またはCcr≦10の患者群では, 投与間隔の再検討が必要と考えられた。

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