日本化学療法学会雑誌
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Pseudomonas aeruginosa に対するカルバペネム系抗菌薬問の抗菌作用の比較
島内 千恵子兼子 謙一佐藤 義則佐藤 優子岡本 了一井上 松久
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2005 年 53 巻 12 号 p. 732-740

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抄録
臨床分離のPseudomonas aeruginosa 50株に対するカルバペネム系抗菌薬 [imipenem/cilastatin (IPM/CS), meropenem (MEPM), biapenem (BIPM) およびdoripenem (DRPM)] のMIC50とMIC90値は順に (2, 16),(1, 16),(1, 16),(1, 8) μg/mLであった。P. aeruginosa pf-18株に対するヒト新鮮血清存在下での抗菌薬の殺菌力は, IPM/CSとBIPMの場合抗菌薬単独時に比べてさらに増強されたが, MEPMおよびDRPMは薬剤単独時のそれとほぼ同程度であった。この薬剤処理による経時的殺菌力の違いは, IPM/CSとBIPMの場合は菌体の球形化 (spherical forms) と溶菌像, MEPMとDRPMの場合は菌体の伸長化 (filamentous forms) と一部のコブ状形成等の違いとして確認された。P. aeruginosa由来のpenicillin binding proteins (PBPs) に対する結合親和性を調べると, IPM/CSおよびBIPMではPBP4, 2, 1A≒3, 1B, MEPMはPBP4, 3, 2, 1A≒1B, DRPMはPBP4, 3, 2, 1A, 1Bの順に強い結合親和性を示した。クラスC型β-ラクタマーゼを誘導するための各薬剤の至適濃度は, IPMとBIPMはsubMIC濃度, MEPMとDRPMにおいては3MICまたはそれ以上の濃度であった。以上の結果をまとめるとP. aeruginosaに対する4薬剤のカルバペネム系薬は, 薬剤単独または新鮮血清存在下での短時間殺菌力の動向, PBPs結合親和性と形態変化の違い, あるいはクラスC型β-ラクタマーゼを誘導するための至適濃度の違い等からIPM/CSとBIPMの群とMEPMとDRPMの群の2群に分けられた。
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