抄録
経口ケトライド系抗菌薬であるtelithromycin (TEL) の皮膚科領域感染症に対する有効性および安全性を検討するため, cefdinir (CFDN) を対照薬とした二重盲検, 無作為化, 最小化割り付け, 並行群間, 非劣性比較試験を実施した。深在性皮膚感染症を対象疾患として, TELは1回600mg, 1日1回 (TEL群), CFDNは1回100mg, 1日3回 (CFDN群) いずれも5日間投与とした。
1. 臨床効果
臨床効果解析対象228例に対する有効率は, TEL群88.9%(104 117), CFDN群82.9%(92/111), 両群の有効率の差 (TEL群-CFDN群) とその両側95%信頼区間は6.0%[-3.9, 15.9] で, 当該区間の下限値が非劣性限界値-15%を上回ったことから, 臨床効果におけるTELのCFDNに対する非劣性が検証された。
2. 細菌学的効果
細菌学的効果解析対象223例のうち判定可能であった143例における消失率は, TEL群98.6%(71/72), CFDN群93.0%(66/71) で, 投与前分離菌216株の菌消失率はTEL群100.0%(114 114), CFDN群94.1%(96/102) であった。
3. 安全性
安全性解析対象245例のうち有害事象の発現が不明であった3例を除く242例における副作用発現率は, TEL群30.6%(37 121), CFDN群35.5%(43 121) であり, 両群間に有意差は認められなかった (Fisher直接確率検定p=0.495)。
以上の成績より, TEL1回600mg1日1回5日間投与は皮膚科領域感染症の治療に対し, 高い臨床的有用性が期待できるものと考えられた。