日本化学療法学会雑誌
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皮膚科領域感染症患者におけるtelithromycinの有効性, 安全性および体内動態
荒田 次郎清水 宏渡辺 晋一宮地 良樹岩月 啓氏古江 増隆小野 真佐藤 智秀岩崎 甫
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2005 年 53 巻 3 号 p. 207-224

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抄録
経口ケトライド系抗菌薬であるtelithromycin (TEL) について, その皮膚への移行性を検討する臨床薬理試験, および浅在性皮膚感染症, 二次感染, 膿瘍性疾患を対象疾患としてTEL600mg 1日1回5日間投与による第III相一般臨床試験を実施した。
1.皮膚組織移行性 (臨床薬理試験) 解析対象13例におけるTEL600mg単回投与5時間20分~6時間35分後の皮膚組織 (湿重量) 中TEL濃度の平均値は0.64μg/g, ほぼ同時間帯の血漿中TEL濃度の平均値は0.38μgmLであり, 移行率 (組織中TEL濃度/血漿中TEL濃度) の平均値は1.50であった。
2.臨床効果
臨床効果解析対象80例に対する有効率は81.3%(65/80) であった。疾患群別の有効率は, 浅在性皮膚感染症96.0%(24/25), 二次感染85.7%(18/21) および膿瘍性疾患67.6%(23/34) であった。
3.細菌学的効果
細菌学的効果解析対象78例のうち判定不能例11例を除く67例における消失率は88.1%(5967), 投与前分離菌114株に対する菌消失率は93.0%(106/114) であった。
4.安全性
安全性解析対象98例のうち有害事象の発現が不明であった3例を除く95例における副作用発現率は30.5%(29/95) で, その重症度は軽度または中等度であった。
以上の結果から, TELは皮膚組織への良好な移行性を示し, TEL600mg 1日1回5日間投与により皮膚科領域感染症に対して臨床的有用性が期待できると考えられた。
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