日本化学療法学会雑誌
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ヒトにおけるdoripenemの薬物動態に及ぼすprobenecidの影響
柴 孝也中島 光好
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2005 年 53 巻 Supplement1 号 p. 136-142

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抄録

新規注射用カルバペネム系抗菌薬であるdoripenem (DRPM) の腎排泄機序の検討を目的として, 健康成人男子志願者8名を対象に, DRPM (250mg) 単独使用群とprobenecid併用使用群の2薬剤2期による非盲検のcross over単回点滴静注試験を実施した. 血中濃度と尿中濃度の測定により薬物動態の違いを検討し, 以下の成績を得た.
DRPM単独使用群とprobenecid併用使用群の薬物動態パラメータの値は, Cmax: 15.7±2.8μg/mL, 18.1±1.4μg/mL, AUC: 17.10±2.56μg・h/mL, 29.86±2.10μg・h/mL血中消失半減期: 0.94士0.16h, 1.44±0.11hであった. Probenecid併用によりCmaxおよびAUCの有意な増加 (使用群間の変動に対してそれぞれp=0.0091, p<0.0001) や血中消失半減期の有意な延長が認められた (p=0.0002). また, 全身クリアランス: 14.91±2.22L/h, 8.41士0.58L/h, 腎クリアランス: 12.00±2.21L/h, 552±0, 71L/h, 点滴静注開始から12時間後までの累積尿中排泄率: 80.4±8.0%, 658±8.6%の各パラメータは, probenecid併用使用によりいずれも有意に低下した (それぞれp<0.0001, p=0.0001, p=0.0017).
以上のように, DRPM単独使用群とprobenecid併用使用群における各薬物動態バラメータの平均値には有意差が認められ, ヒトでのDRPMの腎排泄機序は, 腎糸球体濾過による排泄のみならず尿細管での分泌の関与が示唆された.

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