インターネットを介した対面インタビューにより,フィリピン・ヴィサヤ地域在住の20代女性の自然災害に対する意識調査を実施した.聴き取り人数は55名である.結果,最も恐れる自然災害として地震を挙げ(57.3%),次に台風(26.4%)が続き,この二つで80%を超えた.恐れる理由としては,自身の直接経験が51.9%,テレビ報道等を介した間接経験が13.5%となり,主に過去の経験により,恐れの感情が醸成されていることがわかった.地震を対象とした避難訓練は,約70%の人が小学生時代に経験済みであり,うち75%が教室にとどまり,机の下に隠れる,かがむと指導され,11%が外へ避難と指導されていた.しかし,2013年に発生したボホール地震では,34.8%の人が真っ先に外に避難した.その理由として,その時点で自分がいる建物の強度を瞬時に勘案し,外へ避難するほうが安全という結論が下されたことがわかった.