滋賀県琵琶湖西岸の高島市地域では,後背地の地質体が異なる2河川が隣接しており,堆積岩を後背地とする百瀬川と花こう岩を後背地とする知内川とを比較することや,それぞれの河川の上流域,中流域,下流域を比較することにより,風景や暮らしの景観などの人間生活との関わりの対比が明瞭である.そこで,人間生活との関わりの視点から地学の視点へのアプローチにより,隣接した2河川流域の野外観察を行う教員研修プログラムを開発した.実践の結果,参加者は景観や暮らしの風景が河川の後背地の地質体に関連していることを理解できたことが示され,研修プログラムの有効性が確かめられた.