日本畜産学会報
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一般論文
肥育全期間における濃厚飼料の制限給与が黒毛和種去勢牛の産肉性に及ぼす影響
村元 隆行相川 勝弘柴田 昌宏中西 直人
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2002 年 73 巻 1 号 p. 57-62

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抄録

肥育全期間において濃厚飼料を自由採食 (濃厚飼料区) または濃厚飼料の給与量を体重の1%に相当する量まで制限 (粗飼料区) させた黒毛和種去勢牛の産肉性を比較検討した. 肥育は10ヵ月齢から27ヵ月齢まで行った. 粗飼料区の濃厚飼料摂取量は濃厚飼料区の60%であった. 粗飼料区の日増体量, 屠殺時体重および枝肉重量は濃厚飼料区に比較して有意に小さかったが, 筋肉の重量は濃厚飼料区で111.8kg, 粗飼料区で107.0kgと試験区間で有意な差が認められなかった. 粗飼料区の大網膜・腸間膜脂肪および枝肉脂肪の重量, および胸最長筋の粗脂肪含量は濃厚飼料区に比較して有意に小さかった. 第三胃の重量は粗飼料区が有意に大きかったが, 他の消化管の重量には試験区間で有意な差が認められなかった. 胸最長筋および半腱様筋の肉色 (L*値, a*値, b*値) には試験区間で有意な差が認められなかった.

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© 2002 公益社団法人 日本畜産学会
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