日本畜産学会報
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自給粗飼料多給時における乾乳牛,妊娠牛および泌乳牛のカリウム排泄量
久米 新一野中 和久大下 友子小酒井 貴晴小島 英紀
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2004 年 75 巻 2 号 p. 179-184

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抄録

自給粗飼料多給時における乾乳牛,妊娠牛および泌乳牛のカリウム排泄量の特性を明らかにするために,計62頭を用いて消化試験を実施した.供試牛の粗飼料給与比率は60∼100%の範囲内に設定し,また供試牛のカリウム摂取量は81∼555g/日の範囲であった.カリウム摂取量とカリウム吸収量の回帰式から求めたカリウムの吸収率は,乾乳牛,妊娠牛および泌乳牛とも95.6∼99.9%と非常に高い値であったが,体内に吸収されたカリウムの大部分は尿中に排泄された.乾乳牛,妊娠牛および泌乳牛とも尿中へのカリウム排泄量の増加とともに尿量が増加し,尿中カリウム排泄量が1g増加すると尿量は70g増加した.自給粗飼料のなかでは,カリウム含量の低いトウモロコシサイレージ給与により,乳牛のカリウム排泄量と尿量の低減が可能であった.

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© 2004 公益社団法人 日本畜産学会
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