抄録
豚糞の堆肥化における消石灰添加が電気伝導度(EC)とミネラル溶出率に及ぼす影響について調べた.ECは消石灰添加率が高いほど低くなる傾向にあった.4週後の通気終了時におけるEC測定液のミネラル濃度は,Caを除いて消石灰添加率が高いほど低くなった.一方,Caは添加率による差は認められなかった.消石灰添加によってミネラル溶出率はP, Ca, Mg, K, Naのいずれも低下した.とくにPとMgの低下率が大きかった.消石灰添加によってイオン交換水へのKとNaの溶出率が低下するのは交換性陽イオンとなるためと考えられた.4週後における堆肥の0.3N塩酸抽出液のミネラル濃度は,Ca以外は消石灰添加率が高いほど低く,Caは逆に高くなった.P, Ca, K, Naの溶出率は消石灰添加率にかかわらずいずれも約90%以上あったが,Mgだけが添加率が高くなるほど大きく低下した.消石灰添加によってPとMgの溶出率が大きく低下するのはリン酸マグネシウムアンモニウムによるものではないと考えられた.