抄録
アグチパターンを発現しているイノブタにおいて,アグチ遺伝子のCDS領域の一部および5'UTR領域を5'RACE法により調べた.背側の毛にアグチパターンが生じている皮膚と,腹側の白色部分の皮膚では,それぞれ別のプロモーターでアグチ遺伝子が発現している可能性が示唆された.また,マウスゲノムとの比較で,それぞれ腹側特異的,毛周期特異的に発現するエキソン1とのオルソログがブタでも検出された.ブタ品種においては,MC1R遺伝子(Melanocortin 1 receptor)の変異により,アグチ遺伝子座の産物は毛色に関与しないと考えられているが,個体によっては発現していることがRT-PCRにより観察された.ブタ(Sus scrofa)には,他のアグチパターンを示す生物種と同じように,複数のアグチ遺伝子プロモーターの存在が推定された.