日本畜産学会報
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一般論文
ホルスタイン集団から推定された体型審査形質の相加的遺伝分散,優性遺伝分散および近交退化量の関係
河原 孝吉後藤 裕作山口 諭鈴木 三義
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2007 年 78 巻 1 号 p. 21-28

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抄録

本分析では,ホルスタインの体型形質に関する相加的遺伝分散,優性遺伝分散および近交退化量の関連性を調査した.体型記録は,日本ホルスタイン登録協会北海道支局において1984年4月から2002年3月までの期間に体型審査を実施した244,078頭の雌牛から抽出された.使用した形質は,6の体型得点形質および16の線形式体型形質であった.分析には,母数効果として牛群・年次,泌乳ステージ,審査月齢および近交退化量,変量効果として個体,両親の組合せおよび残差が含まれた単記録モデル(SM),さらに変量として永続的環境効果を追加した反復記録モデル(RM)を使用した.各変量効果の分散成分は,Method Rを使用して推定した.全分散に対する相加的遺伝分散の比率(狭義の牛群内遺伝率)は,SMからの推定値において5.5%(蹄の角度)から45.2%(高さ),RMに関して5.6%(蹄の角度)から46.5%(高さ)の範囲であった.同様に優性遺伝分散の割合は,SMにおいて0.8%(蹄の角度)から7.0%(体積),RMにおいて0.4%(蹄の角度)から6.4%(体積)の範囲で推定された.SMから推定された近交退化量は,尻の角度,後肢側望,前乳房の付着,乳房の深さおよび乳頭の配置に関して正の値(0.000/%から0.012/%),それ以外の形質は-0.046/%(体積)から-0.001/%(後乳房の高さ)の範囲で負の値を示した.RMから推定された近交退化量は,後肢側望および後乳房の高さ以外,SMから推定された近交退化量と傾向が類似していた.相加的遺伝分散の比率と優性遺伝分散の比率との関係は有意(P<0.01)な正,近交退化量は優性遺伝標準偏差と有意(P<0.01)な負の関係が認められた.

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© 2007 公益社団法人 日本畜産学会
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