日本畜産学会報
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一般論文
朝刈りと夕刈りチモシー(Phleum pratense L.)の予乾後における可溶性炭水化物と単・少糖類含量および予乾サイレージの発酵品質
増子 孝義相馬 幸作王 鵬山田 和典山田 清太郎蔡 義民新部 昭夫
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2008 年 79 巻 1 号 p. 37-44

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抄録
北海道根室支庁管内における5地域の酪農家5戸の牧草地から,チモシー1番草を8時(朝刈り)に刈取り13時まで予乾(昼予乾区),15時(夕刈り)に刈取り翌日9時まで予乾(夜予乾区)した.予乾後それらの予乾草を乳酸菌製剤添加(添加区)および無添加(無添加区)によりパウチ法でサイレージを調製した.夕刈り原料草は朝刈りに比べて可溶性炭水化物(WSC)含量は2.9%DM, 単・少糖類含量は1.9%DM高かった.昼予乾区と夜予乾区のWSCおよび単・少糖類含量はともに減少し,その減少量は夜予乾区が昼予乾区よりもそれぞれ約9倍,約2倍高く,サイレージ調製時のWSC含量は夜予乾区がわずかに低かった.予乾草でサイレージを調製し,発酵品質を比較すると,添加区は昼予乾区ではすべての地域で発酵品質が改善されたが,夜予乾区では予乾草の糖含量が低い地域において改善が不十分であった.無添加区は地域にかかわらず昼予乾区と夜予乾区のすべてが低品質になった.予乾草の糖含量はサイレージ発酵中に大きく減少した.
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© 2008 公益社団法人 日本畜産学会
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