日本畜産学会報
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技術論文
畜舎排水水質の簡易自動モニタリング装置の性能検討
田中 康男森 達摩矢吹 芳教相子 伸之渡辺 高秀篠崎 秀明渡辺 是文横山 浩荻野 暁史
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2009 年 80 巻 1 号 p. 83-90

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抄録

畜舎汚水処理水の水質をモニタリングする簡易型装置を開発した.装置は,内径8 mmのノズルから流下した流水の側面から発光ダイオードにより赤(R ; 618 nm),緑(G ; 525 nm),青(B ; 470 nm)の光を照射し,吸光度を測定する.これら3種類の吸光度を説明変数とし,各種水質項目を目的変数とする重回帰分析(ステップワイズ変数選択法)を,標準活性汚泥法,膜分離活性汚泥法,および回分式活性汚泥法の3種類の施設の処理水を対象として行った.その結果,生物化学的酸素要求量(BOD)は,膜分離活性汚泥法処理水で,GとBによる回帰式での推定の可能性が示された.同じく,膜分離活性汚泥法の処理水で,RとBによる溶解性色度推定の可能性が示された.着色度については,標準活性汚泥法処理水と膜分離活性汚泥法処理水で,Bのみによる推定の可能性が示された.さらに,回分式活性汚泥法処理水については,Bのみによる透視度の推定の可能性が示された.以上のように,本装置は,各種水質項目のおおよその値を自動的に把握できる可能性を有することから,処理水質の変化傾向を把握し施設の適切な運転管理のための情報を得る目的での使用が効果的と考えられた.

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© 2009 公益社団法人 日本畜産学会
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