日本畜産学会報
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一般論文(原著)
採卵鶏へのライストリエノールの飼料添加濃度の違いが卵黄中のビタミンE構成および過酸化脂質に与える影響
前田 恵助味村 妃紗筒井 視有築野 卓夫入江 正和
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2009 年 80 巻 2 号 p. 179-188

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抄録

飼料用ライストリエノールの飼料添加濃度の違いが採卵鶏の卵黄中と肝臓中のトコフェロール(Toc),トコトリエノール(T3)濃度,卵黄中TBARS濃度,生産性,卵質に与える影響を調べた.採卵鶏200羽を50羽ずつ4群に分け,それぞれ飼料用ライストリエノールを0%,0.25%,0.50%,1.00%含む飼料を24週齢から74週齢まで不断給与した.単回帰分析の結果,飼料中のToc, T3濃度と卵黄中と肝臓中のToc, T3濃度に正の相関が認められた.卵黄中のToc同族体濃度はα-Toc > γ-Toc > β-Toc > δ-Tocとなり,T3同族体濃度はα-T3 > γ-T3となった.卵黄中TBARSは飼料用ライストリエノールの飼料添加濃度の上昇にしたがい減少し,卵黄色はa*がやや減少した.以上より,飼料用ライストリエノールの飼料添加レベルは卵黄中のα-,β-,γ-トコフェロールおよびα-,γ-トコトリエノール濃度をほぼ直線的に高め,卵黄への移行はトコフェロールで顕著であり,生産性には影響がないことがわかった.

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© 2009 公益社団法人 日本畜産学会
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