抄録
Diacylglycerol O-acyltransferase 1 (DGAT1)は筋内脂肪の主成分であるトリグリセリド合成の最終経路に関わっている.本研究ではウシDGAT1遺伝子と枝肉形質との関連について調査するため翻訳領域における多型探索を行い,検出された非同義置換(K232A)に対し2つの黒毛和種集団,各438頭および245頭を用いて解析を行った.PCR-RFLP法によりDGAT1 K232Aの遺伝子型判定を行い,統計学的手法を用いて遺伝子型の各形質に対する効果を調査した.分散分析の結果,いずれの集団においても皮下脂肪厚に対しK232Aの効果が認められ,TukeyのHSD検定の結果,K対立遺伝子を持つ個体で皮下脂肪厚値が有意に低くなっていることが示された(P < 0.05).このことからDGAT1 K232Aは枝肉形質の改良に際し有用なDNAマーカーとなることが示唆された.