日本畜産学会報
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一般論文(原著)
ヒツジを用いた動物介在イベントが参加者の唾液アミラーゼ活性に及ぼす影響
押部 明徳磯島 昭代河本 英憲澁谷 美紀福重 直輝出口 新
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2011 年 82 巻 4 号 p. 391-395

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抄録

家畜を用いた動物介在イベントが,参加者に生理的影響を及ぼすか否かを明らかにするために,ヒツジを用いた動物介在イベントを開催し,父母と子で構成される家族単位で参加した36家族,123人のイベント参加前後の唾液アミラーゼ活性を測定した.その結果,参加者全体のイベント参加後の唾液アミラーゼ活性を参加前のそれと比較した場合,有意な差は認められなかった.しかし,基本属性と動物飼育の経験に基づいてグループ分けすると,男子ではイベント参加後に唾液アミラーゼ活性の減少が認められ,また,動物を飼っている女性においても減少が認められた.一方,現在は動物を飼っていないが過去に飼った経験のある母ではイベント参加後に唾液アミラーゼ活性の増加が認められた.これらの結果から家畜を用いた動物介在イベントが参加者に及ぼす生理的影響には性差および年齢差が存在し,さらに動物飼育に関わる経験による影響を受けることが示唆された.

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© 2011 公益社団法人 日本畜産学会
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