抄録
持続可能な牛肉生産を実現するためには,環境に優しく,経営的にも維持できることが求められる.本研究においては,酪農生産,F1繁殖生産およびF1 繁殖肥育生産の3つの生産において環境影響と経済性を評価した.F1繁殖生産はF1子牛を2ヵ月で販売し,F1繁殖肥育生産ではF1子牛を出荷まで肥育すると想定した.それぞれの生産で,聞き取り調査によって得られた飼養方法,繁殖管理,生産物の価格などの情報をもとに牛群のモデル化および経済分析を行った.またライフサイクルアセスメントを用いて環境影響評価を行い,環境影響項目としては温暖化,酸性化,富栄養化およびエネルギー消費量を選択した.さらに環境影響と経済性の両観点から評価するために環境影響・利益比を求めた.結果として,F1繁殖肥育生産の利益が最も高くなったが,長期肥育により環境影響も最も大きくなった.環境影響と経済性の両観点から評価した場合では,F1繁殖生産が最も優れていた.