抄録
畜舎排水の窒素除去を目的として,土壌pH調整用に流通している粉末硫黄を利用した硫黄脱窒法を20℃の室内実験で検討した.この粉末硫黄は表面が疎水性であるため,そのまま水中に投入しても水面に浮上してしまい水処理に利用することができない.この問題を克服するため,家庭用中性洗剤の希釈液に浸漬させた後にリアクターへ投入し,洗剤がほぼ完全に洗い出されるまでポンプで水道水を連続通水した.この前処理により,硫黄粉末はリアクター底部に沈降し,その後排水を継続的に流入させてもリアクター内に保持することが可能となった.このリアクターに,約180 mg/Lの硝酸態窒素を含む活性汚泥法処理後の養豚排水を,NOx-N負荷率約0.1 kgN/m3・日で流入させたところ,脱窒率が徐々に上昇し約40日で84%にまで達した.また,硝酸態窒素除去量が150 mg/L程度以下であれば,脱窒後の中和は不要であった.