日本畜産学会報
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技術報告
牛糞堆肥中放射性セシウムの溶出と溶出セシウムの各種シート状資材による吸着に関する基礎的検討
田中 康男
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2014 年 85 巻 2 号 p. 197-204

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抄録
放射性セシウム(Cs)で軽度に汚染された乳牛糞堆肥(約590 Bq/kg乾重,関東南部で採取.調製後に降雨中のCsが混入.)と,強く汚染された乳牛糞堆肥(約7500 Bq/kg乾重,関東北部で採取.汚染された飼料を摂食した乳牛の糞から調製された.)のそれぞれに,蒸留水または1 mol/L塩化カリウム(KCl)溶液を混合した場合のCs溶出について定性的な検討を行った.その結果,軽度に汚染された堆肥では,蒸留水溶出液中のCs濃度は4.2 Bq/kgと低かったのに対し,KCl溶出液では濃度が8.6倍に上昇した.強く汚染された堆肥では,蒸留水溶出液でも119 Bq/kgと高く,KCl溶出液ではさらにその2倍の濃度を示した.強く汚染された堆肥中のCs濃度は,蒸留水溶出により約18%,KCl溶出により約63%低減した.強く汚染された堆肥の溶出液中Csを各種Cs吸着シートに接触させたところ,プルシアンブルー含有シートがゼオライト含有シートおよびベントナイトシートより高い吸着能を示した.中でも,プルシアンブルーナノ粒子を含有するシートが最も高い吸着能を示した.
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© 2014 公益社団法人 日本畜産学会
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