日本畜産学会報
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一般論文(原著)
黒毛和種肥育牛の枝肉形質バイオマーカーの探索III:腎周囲白色脂肪組織プロテオーム解析結果に基づく肥育終了時の枝肉形質を推定するバイオマーカー候補タンパク質の同定
池上 春香永井 宏平松橋 珠子小林 直彦武本 淳史吉廣 卓哉井上 悦子樋口 智香守田 昂太郎内堀 翔天野 朋子田口 善智加藤 博己入谷 明松本 和也
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2015 年 86 巻 2 号 p. 141-152

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抄録
黒毛和種肥育牛の枝肉形質を推定するバイオマーカー候補タンパク質の同定を目的に,枝肉形質情報ならびに腎周囲白色脂肪組織のプロテオーム解析情報を搭載した統合情報管理システムを運用し,プロテオーム解析データを持つ去勢牛200頭から,5つの形質(枝肉重量・ロース芯面積・バラの厚さ・皮下脂肪の厚さ・BMSナンバー)に関して上位と下位の2群を選抜して,この2群間で314個のタンパク質スポットの発現量と枝肉成績との関連性を検討した.各形質の上位群(平均値+標準偏差)および下位群(平均値−標準偏差)として抽出した個体間の各スポットのタンパク質発現量を比較した結果,合計でタンパク質45種類(90スポット)の発現量に有意な差が認められた.これらタンパク質の一部について,代謝経路における位置付けを行なうとともに,vimentinのウエスタンブロット解析より発現量を検証したところ,枝肉形質を推定するバイオマーカー候補タンパク質としての可能性が示唆された.
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© 2015 公益社団法人 日本畜産学会
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