抄録
家畜排せつ物のエネルギー利用としては,堆肥発酵熱の利用が期待されるが,その効率的な回収・利用技術については未確立である.そこで堆肥発酵熱を,堆肥化原料の調整時に混合する戻し堆肥の乾燥に利用することを検討した.試験には,酪農家に設置した吸引通気式の堆肥化施設を使用した.この施設から出る排気と外気を熱交換器(1台または2台連結)に通し,外気の風量を変えながら熱交換後外気の温度を測定することにより,熱交換器の能力を試験した.その結果,熱交換器1台の試験では,外気の風量を増加させるほど回収できる熱量が高まり,風量が15.1m3/分の時,回収熱量は28.0MJ/時であった.熱交換器2台で得た熱交換後外気(温度平均47.3°C,風量34.1m3/分)を用いて,戻し堆肥として利用する堆肥の乾燥設備(容積10.8m3)にて,乾燥試験(約72時間)を行った.その結果,堆肥の含水率を68.0%から48.7%に低減することができ,この堆肥を戻し堆肥に用いることで,副資材(バーク)の消費量を約2割低減できることが示された.