日本畜産学会報
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一般論文(原著)
ブロイラーの成長に伴う血液生化学検査値の変動
石塚 譲出雲 章久安松谷 恵子西田 眞治斉藤 恵子
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2016 年 87 巻 1 号 p. 11-16

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抄録

我が国における現在のブロイラー(Ross 308)雄の血液生化学検査値の基準範囲の一つを示すことを目的として,14項目について21,28,35,42および49日齢の値を比較した.49日齢の平均体重は3696.2gであった.トリグリセライド値は日齢とともに増加したが(106.1mg/dL,平均値),49日齢で急激に減少した(P<0.0001).アルカリフォスファターゼ値は日齢とともに減少し(P=0.0333),逆に,アスパラギン酸トランスアミナーゼ値(P<0.0001),クレアチンキナーゼ値(P<0.0001)および乳酸脱水素酵素値(P=0.0012)は,日齢とともに増加した.本試験での乳酸脱水素酵素値(6420U/L)およびクレアチンキナーゼ値(51020U/L)は,既報と比較して約2倍の値であった.総タンパク質,アルブミン,血糖,尿酸およびアスパラギン酸トランスアミナーゼの各値は既報と大差はなかった.本結果では,血清酵素値が既報と比較して高かった.これは,筋肉の急成長を目指した改良が進められた結果と考えられ,我が国の現在のブロイラーでは基準範囲であると考えた.

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